カッテレンできるかな

生活者、たった1人からはじめてみるおしどりマコちゃんのカッテレンの記録です。東三河の片隅からハミガキするように社会のことを考えて、半径5mを少しずつ変えてみたいと思います。

放射線管理区域の基準より、ずっと高いところで毎日農業しているのに【抜粋文字起こし】(約13分)

2019年6月21日(金曜日)14:00~@静岡市
プラムフィールドのお茶べりTeaTimeより抜粋【その5】


※下↓の見出しは、ペリスコープ動画の頭出し再生リンクです。

放射線管理区域の基準より、ずっと高いところで毎日農業しているのに…(約13分)

そう!で、そういう形でずっと2011年から取材してるんですけど、はい(←ケン)今日皆さんに、静岡の皆さんにお伝えしたいことは、ええ(←ケン)えっとね-、静岡もお茶とかで本当に、大変だったと思うんですよ。で、私、実際、そう、お伝えしたいこととして、そのあまりテレビとか新聞で出てこないことを、そこを取材してお伝えしようと思っていて、はい(←ケン)で、その出てこないこととして、…その、農家の方々の問題、え-…、農家の働く人たちが抱えている問題について、お伝えしたいと思います。はい(←ケン)そう。
で、静岡もねホント、お茶、お茶がとても大変で、で私、自分が取材をするまでは、テレビの新聞、テレビや新聞とかを見ていると、原発事故の後、農家の方々が抱える問題は、風評被害で野菜が売れない農作物が売れない、そういうことを皆さん問題として抱えていらっしゃると思っていました。はい(←ケン)自分で取材をする前は。うんうん(←ケン)でも実際いろいろ足を運んでお話を伺うと、色んな組織の方や、説明会でお会いする方や、裁判の原告の方や、あの別に裁判とか団体も何も入ってないけど、知り合って、農家の方で一緒にご飯食べたりとかするとね、はい(←ケン)あの-、伺うのは、もちろん風評被害のこともおっしゃる方おられるんですけど、自分たちの被ばくは、どこが対策をとって、どこが責任をとってくれるんだ、という事を本当によく伺います。はい(←ケン・2016年4月26日福島県農民連院内集会の画像提示)
で、え-、その中でも福島県の農民連の方々が、2012年から福島から東京に来られて、年に2回ずーっと政府交渉されてるんですね。(ケン・2016年9月11日同集会の画像提示)これは議員会館です。で、色々な要求をされてるんですけど、2012年からずーっと、おっしゃっているのが、自分たちの被ばくはどこが対策をとってくれるんですか、という事です。はい(←ケン)で、え-、因みにこの方々は、避難区域の方々ではなく、ほとんどが2011年から通常通り農業をされていた方々で、で、その-方々には、え-、福島県で2011農業を始める時に、肥料としてカリウムをたくさん撒いて農業を続けろ、という指示が出たそうです。
なぜカリウムかと言うと、うん(←ケン)え-、あの懐かしい周期表の“水兵リーベ僕の船”のね、周期表で、うん(←ケン)セシウムカリウムと同じ縦の属が一緒なんですね。で、縦が一緒だと同じような動きが、動きをするので、土の中にセシウムが、放射性物質セシウムが入っていても、肥料としてカリウムを大量に撒けば、土の中のカリウム濃度が上がって、そこで農作物を作っても、土のセシウムが移行しにくく、しにくいので、ブロックする働きになると。なので、セシウムが入ってる汚染されたところで農業をやる時は、カリウムを大量に撒いて農業してください、と、指示が出たそうです。はい(←ケン)
で、あの-、その指示通り農業をされて、そうすると思ったより、土のセシウムが農作物に入らなかったので、あ、これ有効なんだなってなったんですけど、その後土を調べた時に、土の中のセシウムが減るわけではないので、そこで作る農作物に移行しないだけなので、自分たちは被ばくしっぱなしじゃないかと、セシウムがなにか、なんか違う物質になったり、なんか減ってったりするわけじゃないから、自分たちは被ばくしっぱなしで、原発事故の後の農業対策というのは、農作物のセシウムを減らすだけで、農家の被ばくはどこが対策をとってくれるんですか、という要求が2012年から始まったそうです。はい(←ケン)
で、皆さん色々調べられてね、あの電離放射線障害防止規則という法律があってね、うんうん(←ケン)それは放射線管理区域で働く放射線技師さんとか、原発作業員の方を守るための法律なんですけど、そこで働く方は、年に2回の健康診断とか、え-管理区域で働く時に線量計をつけて職業被爆がどれくらいか測る、そういう法律なんですね。で、『自分たちは、その法律でいう放射線管理区域の基準より、ずっと高いところで毎日農業しているのに、なぜその法律で守られないんですか?同じような年2回の健康診断とか、そういう対策を取ってもらえませんか?』っていう、要望をされました。はい(←ケン)
その時の国の回答、凄かったですね。びっくりしましたよ!(←ケン怒・2016年9月11日2枚目の画像提示)『その法律は、事業者から労働者を守るための法律ですので、農家の方々は自営業ですから、自営業であれば、自己責任です。』って言われるんですよね![会場どよめき・失笑『え~!』『え~!』]ね!(←ケン怒)びっくりしましたよね!ねぇ!どういうこと!って思いましたよ(←ケン怒)『自営業の方にはその法律は当てはまりませんし、自営業の方には放射線管理区域という概念もあてはまりません。』って言い切られるんですよ。ね~…(←ケン)ねー。[会場・低く『へ~…』『ふーん…』]
で、農家の方々が、あの『俺たち望んで汚染地域で農業してるんじゃない!』ってすごい声を荒げられたんですけど、はい(←ケン)まぁその法律は関係ないと言われてしまって、で、その農民連の方々は、自分たちの畑や果樹園や田んぼの土を測定して、それで、え-それを提出し続けて、その電離放射線障害防止規則の放射線管理区域の基準よりずっと高いところで今でも毎日農業をやっているんです、土ぼこりが舞うところで働いてるんです、だから対策とってくださいという要望を今も続けていらっしゃいます。はい(←ケン)で-、あの-、これ割と私たちずっと取材行ってて、時々提出されているデータも頂くんですけど、そうです(←ケン・県北定例土壌検査結果2016年度図表提示)
これ、2017年の交渉に提出した16年のデータです。福島市伊達市伊達郡福島県の北部の方なんですけど、セシウム134と137を合わして、放射線管理区域の基準というのは一平米当たり4万ベクレル、4万ベクレル以上なんですね。セシウムを合算して、一平米当たり17万6,300とか、高いところでは70万6,900とか、一平米当たり4万をはるかに超えたところで、うん(←ケン)自分たちは今も農業をしています、と[会場・低く『ふーん…』]提出していました。事故直後じゃなく、[会場・低く『2016年…』]2016年のデータです。そうですよね!(←ケン)2017年の交渉です。で、この時の測定では162か所中、161か所が、放射線管理区域の基準を超えていて、今からでも遅くないので、農家の被ばく対策をとってください、とおっしゃってました。で、あの-、こんな割と汚染が高いところで作る農作物は大丈夫なのか、と、思われる方もおられると思うんですけど-、あの福島農家の方々は、本当にカリウムを撒いたり、うんうん(←ケン)あと色々な対策をして、農作物にセシウムが移らないように、すごく工夫して農業されてるんですね。因みにカリウム以外では、活性炭という、活性炭がねすごく吸うんですよね。匂い、セシウムを(←ケン)匂いを取るだけあって、やっぱ色んなもの吸う。色んなもの吸着するんですね-!(←ケン)あっちも、汚染水処理装置でも活性炭がいい仕事してるんですけどね。はい(←ケン)
で-、活性炭を撒いたり、ゼロライトという[会場・低く『うーん…』]、あの-同じような、え-多孔質の粘土みたいなものを撒いて、土の中のセシウムが、あの-吸着させたり、色々な対策をされて、農作物に移らないように工夫して農業されてるんです。だからこそ、土にセシウムが残り続けてるんですね。[会場・低く『うーん…』]で-、それで今からでも遅くないので、農家の被ばく対策考えてくださいとずっとおっしゃっていて、はい(←ケン)で、今後、原発事故の後、何年も経つうちに、避難、避難区域がいっぱいありますけど、そこの避難解除が進めば、避難解除の地域に戻って、また一番被ばくするのは自分たちと同じ農家でしょうから、避難解除が進む前に農家の被ばく対策をきちんと作ってください、と、そう要望されてました。避難解除になってもまだ汚染されてるって事ですもんね?(←ケン)そうそうそうそう。やっぱりね(←ケン)そうそうそうそう。うんうん(←ケン)はい、で-、その-、なので、はい(←ケン)それを聴いていたので、2017年4月にいくつかの地域で避難解除があったんですけど、そこで避難解除の前に(ケン・「農作業における放射線対策と健康講座」会場看板の画像提示)そこの地域に戻って農業される人たち向けに説明会があったので、それも取材しました。はい!(←ケン)
2016年11月福島県川俣町であった、【農作業における放射線対策と健康講座】これね、あの-、このタイプのね、ね!凄いタイトルですよコレ(←ケン)あの-説明会、取材するたびに思うんですけど、ねぇ!(←ケン)“農作業における”“放射線対策”っていう言葉の並びがね、うん(←ケン)[会場ざわめき]これ、放射線対策を、必要な農作業はしなくていいんじゃないか!と、[会場笑い]本当に思うんですよね。したらダメですよね(←ケン)そもそも!みたいに思うんですよ。はい(←ケン)[会場・低い笑い]
で-、あの-、行ってくださいどんどん。はい(←ケン)はい。で-あの-(ケン・講座資料「放射線と健康」提示)川俣町取材したときに(ケン・講座が行われている会場の画像提示)たくさん人がいるように見えるんですけど、ほぼ役場の動員の方々でね、うん(←ケン)ホントに地元の方々は6人でした。はい(←ケン)で、最後この説明会が終わった時に、質疑応答の時間があって、え-、あ次行ってください。(ケン・別角度からの写真提示)地元の人たちがどういう質問をして、国側がどう答えるのか、というのを知りたかったんです。
一番初めの質問は、『自宅や農地は除染されて、え-汚染が、あの-少なくなって、空間線量が下がっています。』と、『でも、自宅から農地に毎日通う道のりが、山の中の道とか、林の脇道が、まだ除染されていないところが多いので、そこがまだまだ放射性物質が残っていて高線量なので、』はい(←ケン)『そこを通る時に被爆してしまいます。』と、『そのような、まだ除染されていない高線量の道は、あとどれくらい残っていると、国や福島県は把握してるんですか?』と、そういう質問でした。なるほど(←ケン)で、そういう質問だったんですけど、うんうん(←ケン)答えられた方はJAEA福島の方で、『確かにまだ除染が済んでない道は、高線量の道は、まだ多数残っています。』と、『でも、そのような道を通るときは、できるだけ早く駆け抜けてください。』[会場・爆笑→ざわめき・どよめき続く]わはは(←ケン)ホントに、びっくりしてっ!ね!(←ケン)ちょっと、え!今なんて言った?!ぐらいの。そう!マコちゃん、ペン落としてましたからね!(←ケン)そう、聞き間違いかな?と思ったんですけど、より丁寧におっしゃっていて、『自宅や農地は長時間滞在する場所ですが、道は滞在せず、ただ通過するだけの場所ですので、』うん(←ケン)『高線量が予想される道を通るときは、できるだけ息を止めて、』[会場・小さく悲鳴『何?!』]『小走りで駆け抜けるなどの対策を取れば、追加被ばくを下げることができます。』っていう回答だったんです。[会場・小さく『へぇえ~…』『うーーん…』]びっくりしましたよね。びっくりです(←ケン)
『そんなこと聞いてない!ふざけんな!』っておっしゃったんですけど、時間が無いので、はい次の質問となり、(ケン・さらに別角度からの写真提示)次の質問、この白髪の方だったんですけど、え-『自分は家庭菜園程度だけど避難解除にて戻ったら、また始めたい。』と、(ケン・同写真引き延ばして提示)『でも土の中にまだセシウムが入っているので、土埃が舞い上がってそれを吸い込むと、内部被曝をしてしまいます。』と、うん(←ケン)『そのような土の中のセシウムによる危険性は、どれくらいあるんですか?』と、うん(←ケン)そう質問されました。はい(←ケン)そうすると、手ぇ挙げている放射線医学研究所の、放医研の方が答えられたんですけど、『確かに、土の中にまだセシウムが入っているので、土埃が舞い上がってそれを吸い込めば、セシウムも吸い込み、吸い込むことになります。』と、『でも、そのような場合は、出来るだけ早く鼻をかんでください。』[会場・どよめきから笑い]同じことをね!(←ケン)『急いで鼻をかんで、うがいをすれば、大部分外へでますので、微量のセシウムが残っていたとしても、微量であれば問題ありません。』と。で-あの-、最終的にね、はい(←ケン)この説明会は、『放射性物質は無くなりません。』、と。『皆さんは、セシウムと共存する生活ということを踏まえて、工夫しながら暮らしていってください。』で終わりました。はい(←ケン)[会場・笑い、低く『ふーん…』笑い]
ほんとにそんな説明会あったの!?って思われると思うんすよ!ちょっとびっくりしちゃい…(←ケン)取材してたのおしどりだけだったよね!そうですよね(←ケン)で、ここで配ってるチラシが、え-、チラシ行ってください。チラシ行かな。(←ケン)うん。はい!(←ケン・チラシ画像提示)
これ、【帰還し営農を再開される、農家のみなさまへ】、福島県が作っているチラシです。外側は土の中の放射性物質の動きと、上っ側はなんか半減期の話があって、内側には(ケン・チラシ内面画像提示)放射性物質の測定器の話があって、ここの右側【農作業で気をつけること~追加被ばくを小さくするには~】とういのが、説明会のメインだったんですね。うん(←ケン)ちょっと大きくしてもらえますか?ありがとう。“追加被ばくを小さくする工夫”、“農作業を行う時は、なるべく長袖、長ズボン、マスクをしましょう。” “土ぼこりの中にはセシウムも入っているので飲食や喫煙を避けましょう。” “農機具に付いた土や泥を現場で落とせばセシウムを室内に持ち込まない対策になります。” “手足や顔についた土やホコリを流し落とすことで、よく洗いうがいをすることで…”多分ここにね“鼻かむことで”が入るんですよね。[会場笑い→ざわめき]なるほど(←ケン)セシウムを落とすことができます。” “セシウムは洗濯することで泥汚れと一緒に落とせます。” ということで、あの-…、こっちの追加被ばくを個人の工夫で下げるというのが、説明会の、メインでした。はい(←ケン)それを繰り返し繰り返し説明会でおっしゃってましたね。そうでしたね。(←ケン)はい。
で-、この説明会に出席した6人の地元の方に、私全員にホントはインタビューとりたくて、『どうですか、避難解除になって農業再開されますか?』『今日の説明会どうでしたか?』って伺いたかったんですけど、うん(←ケン)ほとんどの方が、もう途中で怒ってね、椅子、バーーンッ!ってやって、ドア、バーーンッ!ってやって怒って帰られて。[会場・低い笑い]そりゃ怒りますよ!(←ケン)そりゃ怒りますよ。うん(←ケン)で、でもみんな帰っちゃう、終わるまでに帰っちゃう、って急いで走ってってね、はい(←ケン)ひとりの人に『どうです?避難解除で農業再開されますか?』って聞いたら、うん(←ケン)おひとりの方は振り向きざま『むちゃくちゃ。』[会場笑い・ざわめき・『うんうん』]っていって帰られました。で。もうひと方は止まって、あの-、丁寧にお話をしてくださったんですけど、色々聴いたあとにね、はい(←ケン)『あなたね』って、『私たちは汚染が無くなるから避難解除になるんじゃなくって、息を止めろとか、鼻をかめと言われて戻されるんですよ。』と、『あなただったらどうしますか?避難解除で農業再開しますか?』って、逆に私に質問されて、静かに怒って帰られましたね。はい(←ケン)
で私、その-、このね!説明会、取材してたの私たちだけでしたけど、そうでした(←ケン)同じような説明会が後5か所、合計6か所であったんですね。で、こういう説明会があって避難解除になってるってことが、うん(←ケン)もっとテレビや新聞で出てくれば、社会に共有されれば、原発事故の後、こういう一面もあるんだってことが、うん(←ケン)あの、よくわかって、どうすべきか、どう考えるべきかっていうのが、もっとわかりやすくなると思うんです!ホントですよね(←ケン)ホントに。その情報もやっぱり共有したいですよね(←ケン)そう!この事実がね!情報がなかなか出てこない!出てこない(←ケン)ホントに思ってます。はい(←ケン)